2012年09月30日

仏のテスが怒ったわけ

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テスは昨日から何かを訴えている。
しかし老人には伝わらない。
老人の顔を見て吠える。
叱ったり、鼻ピンしてもひるまない。
老人が鉢植えの水やりすると
いつもは来たこともないのに一緒にベランダに出てくる。
鉢植えを置いた台の下の溜り水をなめているらしい。
老人が水やりの邪魔だからと追っ払うが動かない。
テスに声をかけてもひるむ気配は全くない。
挙句の果てに老人は棒で小突くが反応なし。
尻尾をつかんで出そうとしたらついにテスが牙をむいた。
今まで恐怖で牙をむいたことはあるが
これは口喝に耐えてきたテスの必死の抵抗だった

老人がハッと気づいて水入れを見ると、
2リットルほど入る水入れが乾いていた。
水入れを満たしてやったら、
いつもの何倍も時間をかけて飲んでいた。
テスにとっては生存権の問題だった。

昨夜は実家に行っていたのだが、
夜の餌をやり忘れたまま実家へ向かったので
飯も水ももらえず大変だったろうと
申し訳なく思った老人は薬を押し込むときに使うバナナをいつもよりたくさん与えた。

心配で飲みだめしたかと思うほど飲んだテスは
いつもの通りの仏のテスに戻った。
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2012年09月24日

完治の前に

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テスの皮膚炎の象徴となっていた鼻の横が禿げて黒くなり、
鼻の頭の色との境が判らなかったのが
白い毛が生えてきて治ってきた様子だ。
黒い皮膚の上に白い毛が出てくるので非常にわかり易い。

まだ完全に治ったという感じではないが、
食べ物を要求する時の態度のデカさ、
朝夕の食後の追加要求、
留守にした時の確実なしっぺ返し、etc.
皮膚以外の兆候は完全復活を現わしている。

それは取りも直さず老人の仕事を増やすことに繋がる。
8歳を過ぎて間もないこの犬にいつまで振り回されるのか、

実家で兄と初代テスの思いでから
ペットの是非論議に花が咲いたが、
これからもやはり飼わないというのが兄の結論で
老人もそれに反駁する論拠はもう持ち合わせていなかった。
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2012年09月23日

頭はどっちがいい?

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最近老人は体調が悪い。
原因は仕事のストレスがベースにあって、
薬とコーヒーが上に乗っかったのだろうと勝手に考えている。

一方、テスも散歩に連れていって貰えないから
当然不満があるのだろう。
元気が出てくるとともに
体をこすりつけて催促をする世になった。

ところが、感心したのは
こすりつけてくるのは夜だけなのには驚いた。
朝は良くないとわかっているように思えることだっだ。
いわゆる、医者に止められている、ということだ。
確かに紫外線が悪いとサマーズ先生は言っていた。
体がつらい時は朝も行く気は見せなかったが

病状がかなり改善してからも催促はしなかった。
いつもはやくざのチンピラのようにしつこいテスが
催促しないのは不思議だった。

顔を老人の胸に擦り付けてくるのは
日中寂しかったからと理解していた。
朝と夜とをしっかり区別していたなど
すぐには信じられないことだった。

しかし朝起きたら新聞取りに
スリルあるエレベーターに乗る権利がある。
次に朝の餌には薬入りだがバナナが貰える。
そして、夜はご飯の後の散歩である。
これは老人が忘れたふりをしているので、
顔を擦り付けて催促する。

不都合なことは絶対覚えないのに、
このしたたかさがあの可愛い顔のどこにあるのか。
やっぱりこの子は老人より位が上らしい。
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2012年09月17日

ストレス病?

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月末に東京へ出張してから、老人は体調不良を託って(かこって)いる。
胃の具合が悪く、食事をすると胃のあたりみぞおちが痛む。
食べる前は痛まないので、麦酒(びーる)は少し飲んでいる。
医者なら止めるところであろうが、
もう少し持続的に痛むまでと、やめる気はない。

テスはと言えば、薬を飲んでいる間は良かったようだが
もういいかと思って薬を貰いに行かなかったら
再び脱毛が目立つようになった。
新たな皮膚炎は認めないので、
もしかしたら換毛期の脱毛なのかとも思うが、
テスの為というより、老人の気を休めるために、
薬だけもらってきて与えている。

テスはしつけが悪く、薬だけで飲んでくれないので、
バナナを買ってきて適当な厚さに輪切りして
カプセル一個と、2つか4つに割った錠剤を3個を
バナナに押し込んで与えている。

最近テスは散歩に行かないのに気が付いたみたいで
朝となく夜となく声を上げて老人に催促してくる。
朝の散歩に慣れていた老人は、(と言ってもこの数カ月のみだが)
夜暗い中でテスの排せつ物を拾うのが嫌で
なんとか騙し通している。

この程度なら何度か経験しているので、
最近有名な胃酸を抑える薬を飲めば
治るくらいはわかっている。
だが、他の病で飲んでいる薬がその能書きに
胃が酸性の方が効くと書いてある。
レモン水と一緒に飲めと書いてあるくらいだから
胃酸を抑える薬と併用すると効果が半減してしまうのだ。
胃の痛いのも困るが、元の病が悪くなるのはなお困るので
弱い胃薬しか飲めない。

誰もテスのことは気になっても、
老人のことなど気にならないらしいから
僻んで(ひがんで)ぐれてビールを飲んでいるのだ。
そしてこんなことも呟いているかもしれない。
「どうせ俺いらは日陰のなすび、誰もわかっちゃくれねぇか」
こうしてすねた老人は山谷ブルースの世界に入っていくのだ。

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2012年09月03日

病み上がりの体育会系

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テスの脱毛も山を越えて
このところやや少なくなったように老人は感じていた。
老人の腕に抱いて欲しい時も
後ろ足をぴんと伸ばして前足を老人に預けることはしないで
お尻を上げないのが弱弱しい。

ここで薬を打ち切るのはやや心配なので
もう一回サマーズ先生の診察を受けることにした。

テスも8歳を超えて動きも以前に比べ緩慢になっている。
睡眠時間も長くなった。
しかも喉の周りに脂肪でも着いたか、
鼾をかくことが多くなったし、
ソファに上がるのも時々躊躇している。

テスの日常から変化を見出すのは面倒な作業だが、
見つけたらそれはそれで心配だ。

心配も金もかかる面倒な奴だが、
可愛いのも間違いないし、
要するにこの体育会系の犬に
いいように振り回されているのだと自覚している。
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2012年08月29日

ある秋の日

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老人は久しぶりに町で飲んだ昨日の酒が残っていてまだほろ酔い気分だった。
昨日は、飲み友のAさんに誘われていつもの小さい割烹で落ち合った。
そこは歓楽街からは少し外れた所にあったが、
生臭い魚を出して平気な、
よくあるいわゆる魚屋が成り上がった(成り下がった?)ような
割烹と違って板前のしての修行を積んだ人だった。
無口な板前タイプではないが、
その優しい顔とギャップのある料理は
肩肘を張らないが良質だった。

酒好きの老人には質のいい小料理屋という感じの店で
隠れ家的に使っている店だった。

Aさんはいつものように少し遅れ、店にはまだ他に客は来ていなかったので
手持無沙汰の老人はビールを飲みながら亭主と話を始めた。
間もなく外から太鼓の音が聞こえてきた。

「祭りなんですよ、うちのお母さんが世話しているんです。」
そういえば、いつも厨房で手伝っている奥さんがいなくて、
今日は奥さんと交代で来ているK子ちゃんと呼ばれる中年のおばちゃんが働いていた。
K子ちゃんはいつも自転車で来て裏口の側に倒しておくのが習慣だった。
老人が店に入るのもほとんど裏口と決まっていた。
表口は大通りに面しており、しかも交差点の近くなので
信号待ちの車から目立つ表口は帰る時にだけ利用するのを習慣にしていた。

トントントントロトンと続く太鼓の行進を亭主は嬉しそうに客に紹介しながら、
奥さんのことが気になる風にそわそわしていた。
この夫婦の子供はもう大きい筈だが、なぜだか奥さんが手伝っているらしかった。
間もなく来たAさんはいつものように出てくる料理に
持参のデジカメのアングルにこだわりながら撮っていた
ブログに乗せるためにいつも持ち歩いているハンディタイプのカメラは
何が入っているのか大きいバッグに収納されていた。
撮影はお腹がすいている時はつい一口食べた後になった。
posted by てす at 08:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月24日

その後

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臭いはなくなり、まだお尻は痒がるが、
脱毛の嵐はさすがにその勢いを無くしたようだ。
皮膚に何か所か円形の脱毛の跡が見られた。
皮膚に艶はないが、これも仕方ないだろう。

テスも状況はわかっているのか、朝の散歩は要求しない。
だが、夕食前後に時々飛びついてくるのは
散歩を要求しているようにも見える。
もしかしたらテスは原因がわかっているのではないか。
等と考える老人は
自分のテスへの親馬鹿ぶりに苦笑いをこらえ切れなかった。
posted by てす at 09:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月22日

犬生最大のピンチ 犬生最大のピンチ?

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中野が帰ってきても元気は一時的なもの、すぐに休んでしまう。
皮膚の炎症も口角と華のそばにをかさぶたを作るほどの皮膚炎。
散歩で何かビールスに感染したんじゃないかと名医もどきに言っていたが、
ちょっとかじった老人の医学知識ではビールスとは思われない。

散歩に原因があるかもしれないとは老人もひそかに感じていたが
散歩に雑菌を拾って感染し菌のアレルギーで全身の皮膚炎となり、
炎症の熱で食欲不振をきたしているのだろう。
というのが最近ネットで知識を蓄えている老人の見立てであった。

とすれば、それは何だろう。老人は人間の医学は一寸かじったが、
獣医学はかじっていないので皆目見当が付かない。
したがって犬のことは知らないと突き放してもいいのだが、
これは大事な大事なテスのことであるからそんなわけにはいかない。
それより、娘たちに家を放り出されかねない。
早くサマーズ先生の知恵が病気に勝つことを願う。

老人はそれまでとても仕事が手につかないだろうと思われた。
老人なら、抗アレルギー剤に抗生物質をまず処方するだろう。
それと抗生物質入りステロイド軟膏。そして消化酵素剤。
後で聞いたら、ほぼ老人の描いた通りの処方だった。

誰も認めてくれないが、老人のちょっとかじりもなかなかの物、
とちょっと自信を回復した老人はそっとほくそ笑んだ。
posted by てす at 08:14| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月19日

セキュリティカード ―後の章―

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いつ来るかわからない救助を待つ気持ちは
中州に取り残された釣り人の気分で、空腹を意識する。
しかも何らかのいいわけをして頼まねばならないのだからと
手順を頭で反芻しながら待っていたら、
意外と早くエンジェルは来てくれた。

階段側の扉があいた。
エンジェルではなく髭の濃い眼鏡をかけたおじさんだった。
老人が言い訳を言いそびれるうちに
その男性は急いでいるようでそそくさとドアを開けてきたが、
半分ほど開いたそのドアが閉まらないうちにと
老人はあわてて狭い空間に滑り込んだ。
助かったと思ったが、それはまだ困難の始まりに過ぎなかった。



それは以前に増してきつい階段だった。
10数段7kgの包んでない荷物をもって登るのは、
減量中のボクサーも差はあるまじと思うきつさで
カテーテル治療を予定されている老人の兄がこんな目に会えば
このまま心筋梗塞で頓死もあり得べしとも思われたほどであった。

そんな中、玄関に下ろされたテスは
で、それがなにか?という風情で
軽やかにリビングへ消えて行った。
胸がバクつている老人を振り向きもせず・・。  ―暗転―

posted by てす at 15:46| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月17日

セキュリティカード ー前の章ー

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いつものように朝刊取りにテスを左手に抱いて
エレヴェーターに乗った。
スイッチを押して一階へ向かった。
朝の6時前、この時間帯に会う人は、
限られている・てすは同乗者がいると
興奮して裏声で吠えるので、
一階に来るまで人と会わなくて安堵したと思うまもなく
老人はあわてだした。

セキュリティのまさにキィーとなる認証カードを忘れていた。
一階のドアが開いたとき、老人の頭はめまぐるしく回転した。
このままエレヴェーターの中にいるべきか否か。
しかし突然のことでしかも目覚めたての柔軟でない脳は
与えられた時間も短く判断ができない。
とっさに階段から行けばいいと考えエレヴェーターを降りた。
そして階段側のドアを開けようとした。
だが、これが開かない。

階段へは認証カードなしでは出られないことに気が付いた。
だったら誰かが通りかかるまでそこで待つしかない。
こんなことなら2階で降りて階段へ出ればよかったかも等と
いろいろ反省したが、後の祭りだ。

一階のフロアに出たからには、とりあえず誰かが来ないと
エレヴェーターにしろ、階段を上がるにしろ、老人は戻れない。
家の鍵は同じカードを使用するが、
当然今日はカードを携帯しなかったので、
そこまでいけば家に入ることができる。
そこまで到達すれば、カードなしで入ることができる。
だが結局は誰かのカードが必要だ。

敷地内にペットをじかに下ろしてはいけない。
そういうルールなので仕方がない。
テスを抱いて壁に持たれていたが、
だんだん重力に負けて床に座り込む寸前になる。
色々考えを巡らしたが、結局カードがないと駄目だ。

老人がそれほど泡を食わないのは、
以前カードが風に飛ばされた時
同じ経験をしているからかもしれない。

posted by てす at 23:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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