2013年01月26日

抵抗運動

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早くも抵抗運動が始まった。
一寸家へ寄ってからジムに行こうと思っていた。
只それだけなのだがそれが甘かった。
テスのほうも予想通りだったが
老人も冷えた黄色い水の魔力に負けてしまった。
アルコールが口に入ってしまってからでは
予定も計画もあったものではない。
負けてしまったなどと他人の所為にしているが
要は危機感の欠如だ、
と老人は自分を責めているが
何のことはない、ただのアル中のくだ巻に過ぎない。
老人は自虐的になったが
単に an habitual liar の言い訳の域を出ていなかった。
ま、季節も悪いし、今後に期待だと
テスのように自分で自分の傷を舐める姿を俯瞰的に見ていた。

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2013年01月04日

頌春の決意

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老人はこの1年に10kgほど痩せた。
女性ではないからダイエットをしたわけではない。
体重を戻すために食事の量を増やしているが、
痩せたのにお腹周りの減りが少ない。
胸にあった筋肉がなくなり、
その割に内臓脂肪の減りが少ないと判断された。

そこで糖尿病の治療もしている老人としては
食べる量を増やし、筋トレをすることにより
落ちた筋肉を取り戻す傍ら内臓脂肪を減らそうというのだ。
だが、そうはうまく問屋が卸すか
ともかく近くのトレーニングジムと契約することにじた。

それで数日前から独り立ちしてトレーニングを開始した。
以前1年ほど行っていた所は若者が多く
体の鍛錬の為という感じでピリッとしていたが、
ここは年配の人が多く、
メタボ解消または予防という目的が明らかな人が多く、
緊張感が少ない感じであまりいい感じはしない。
言葉を変えていえば、
攻めの運動と守りの運動の違いであった。

老人も病気や怪我のリハビリが主目的だから大きいことは言えなかった。
依然慣れた器械と目的は同じでも、
形が違うので使い方のわかりにくいものもあり
ゆっくり説明を読んでいると
男性のインストラクターが近づいて来て声を掛けてくれた。
男性のインストラクターはここでは初めて見たので多少驚いた。
そういえば、以前の所は男が多かった。

幸いカロリー摂取量を挙げて2^3kgほど回復していた。
この調子で、あとは糖尿病に悪影響が来ないように
ランニングマシーンで有酸素運動を予定した。

筋トレにより筋肉を増やして基礎代謝を上げ、
その後に有酸素運動をして脂肪を燃やし
血糖を下げて糖尿病の治療に資するというシナリオだ。

だが問題が一つあった。
そう、あの白い犬だ。
仕事から一旦家自宅へ帰って
準備をしてから行きたいのだが、
絶対不満の声を上げることは目に見えている。
老人とて早く帰って冷えた黄色い泡水を
飲みたいのは山々だ。
だが飲んでから運動というわけにはいかないし
白い犬に騒がれるのが嫌で
仕事場から直行することに決めた。
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久しぶりのトリミング

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テスの皮膚炎は治ったかと思われたが
皮膚の新たな場所が何となく薄い感じなので
残っていた薬を再度飲ませていた。
しかも、良くなったとの老人の不確実情報を信じた
サマーズ先生の漸減療法の指示に従って
隔日とかそれ以上に日を開けた投与をしていたので
体内の濃度はかなり低くなっている筈だった。

トリミングに出し忘れたのと毛玉取りを
あまり熱心にやってこなかったので、
元獣医志望のロスに上から言われることは目に見えていた。

エレベーターの中でビルの住人と同乗した時は
グルーミングを怠った皮膚の艶の低下を
テスの可愛い顔でカバーできていたから、
老人に虐待疑惑がかかるような実害はなかった。
彼女らの帰省に備えて多少はグルーミング?をしていたとしても
厳しいロスの視線の下はくぐれなかった

トリミングを予約した当日にブラッシングをすると
びっくりするほどの毛玉が取れ、皮膚の毛艶もよくなっていた。
とれた毛玉はハンドボールの玉ほどの量があり、
トリミングする毛が残ったのだろうかと心配するほどだったが、
豆芝カットが似合うテスの体には
カットする毛は十分に残っていた。

怠け者の老人がペット虐待の疑惑を受ける恐れはなくなった。
正月は毛艶のいいショートヘアのテスが人気が上がる筈だった。
一つの危惧を除いては・・。

その危惧とは、玄関で、あるいはエレベーターの中で、
知らない人が来ると狂ったように吠えることである。
インターホーンがなってもやはり狂ったように吠えて
玄関に駆けつけ玄関手前の柵の前で吠え続け、
人がドアを開けると一段とヒートアップし、
ついには狂ったように悲劇の結末のように
想像を絶する吠え方で御用の人たちに吠えたてる。

その最たることは、
テスと娘たちがソファーに休んでいる時に
老人が入ってくると彼女らが雇った用心棒のように
老人に向かって吠えたてる。

彼女たちの傭兵のようだが、
間違えないで欲しいが雇ったのは老人である。
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2012年12月29日

年賀状

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老人は今年から自分で年賀はがきを出すことになった。
これから何年生きるかも知れぬのに、
住所録のソフトに年賀状の作り方まで書いてあるのを見て、
あと何年生きるかという大事な命題を失念して
安くはないソフトを買うのには多少躊躇した。
でも今年から自分でやるか年賀状を止めるか、
どちらかしか以外に選択権はなくなっていたので、
無理やり引きずりこまれたようなものだ。

何十年、年賀状の面倒を下に押し付け、興味はなかった。
だが、古い賀状を見れば、
亡くなられる人、生きている人の鑑別が付かない中、
本年で賀状の付き合いを終わらして頂くと
潔く決別の辞を述べて今年を限りの別れを告げられる人
フェイドアウトするように
いつの間にか消えて行く人、其々様々である。

老人は面倒になって。投げ出したくなったが
今年は減らしてでもとにかく出すことに決めた。
煙草との決別宣言と違って、それを読まされた人は複雑である。
老人の場合は文句を云わず渡りに船とやめさせてもらう。
要するに筆不精なのである。
字が下手なこともある。
あるいは恥をかくことが嫌なあまり、
文法に神経質になったり、
文章の稚拙さを暴かれるのが怖かったり
とにかく自分をさらけ出すことに羞恥心が働くのだろう。

だから手紙や葉書を書くときは必ず余分に用意しておく。
それでも失敗することは少なからずあることである。
その挙句、仕上げを断念して書かない言い訳を考える。
かといって書けたとしても正視できない出来である
これもあーだこーだと言い訳を用意して出すか
ついには出さないで言い訳を用意しておく。

字が下手な筆不精というのはそれくらい辛いことなのだ。
だから、パソコンの出現は老人のみならず
多数の筆不精を救ったと思う。
一部の字の上手な筆無精を除いては。
自分の名前を末尾に書くだけなら何とか書けそうだからだ。
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2012年12月14日

同乗者はいるか

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ソファーに上がるのにまだ一旦躊躇するから
テスの腰は完治してないと見るのがいいのだろうが、
そのまえに右手をあえて上げてぶらぶらさせる動作は
いかにもデモンストレーションのようで信用できない。

だがエレベーターの中での武者震いは本当のように見える。
緊張の高まりがそうさせるのであろう。
だが、他人と乗り合わせたが百年目、
相手が去るのを見極めるや否やの間に
喉から絞り上げるように吠える声はあまりに頂けない。
後ろから突然吠えられた人は、なぜか女性が多い。

まさかテスが弱い人を選んでいるわけではあるまいが
万が一そうであればなおさら卑怯であるし、
顰蹙をかっても致し方なかろうというものである。
うちの子に限ってと思いたい気持ちはわかっていただけると思うが
だれも飼い主のそんな悔しさまでは担保してはくれまい。
それでエレべーターの上りの同乗はなるべく避けているが、
下りの同乗者が現れた場合は迷惑をかけないように
そこで降りて階段を歩くことになる。

世の親はそこまで気を使っているだろうか。

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2012年12月11日

検証

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なんとなく脱毛が止まって、発毛が見られつつあるようだ。
一方、背骨の痛みに関しては、まだちょっと気にしているが、
これも小康状態で悪い状態ではなくなった。

ただ、テスの甘えた態度が気になる。
要するに、なめられているのだ。
思うように行かないときは吠えればいい。
それが遅い時間なら遅いほど、朝なら早ければ早いほど
老人が強く制止をすればするほど、自分の思いが通ることを
この体育会系のポン助は見抜いているのだ。

時々散歩にも連れて行っている。
先日も日中連れ出したら、ポメラニアンの見本みたいな
小さくて可愛いい(3kgほど)同じクリーム色の子と遭遇した。
連れていたのはご婦人であったが、何回か会っていたのか、
女性の方から声をかけてきた。老人に向かって“こんにちは”、
テスに向かって”可愛いい“と2回テスを褒めた。
いつもは“はいはい”と受け流すのだが
老人はその日は少し真面目だったかもしれない。

なぜって、あっちの方がサイズも標準(よりやや軽いか)体重で、
ハンサムで(雄かメスか知らない)ポメの標準サイズに思えたからだ。
しかもテスはホルモンの異常で、毛に艶がなくぱさぱさしている。
犬の散歩同士が遭遇した場合は挨拶をして、相手の犬を褒めるのがマナーらしい。
比較的最近お散歩デビューした老人とテスは
現在学習中なのだが、スピッツですかと聞かれるのが恐怖で
挨拶もそこそこに立ちさるのが無難と考えている。
テスは相手を威嚇するのか、
怖いから大声出すのかわからないけれど、
時間の経過とともに震え声のヒステリックな声を出すので、
その前にっていう意味もある。
3kgあるかなしの同類犬に会うと、
なにか老人は落ち着きがなくなるのである。
こちら血統書付きの堂々7kgだから。
いくらなんでもスピッツはもっと大きいとは思うのだが、
聞かれても仕方のない体型だから仕方がない。
だからいい性格とか高IQを見せるとかしないといけないのだが
テスにはそんな切迫感はない。
それどころか病気の所為か過食気味なのである。
今日の昼もキッチンで老人が落とした生玉ねぎ(幅2cm余り)を落としてしまい、
それを老人の制止を振り切って食べてしまったのだ。
犬に玉ねぎをやってはいけないことは知っているが、
その理由は知らないから、とられたものは仕方ない、
これから起こることを検証しようと思ってみていたが
しばらく経っても何の変化もないうちに検証のことも忘れてしまった。
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2012年12月04日

老境

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テスはまだ完治していないみたいだが、
自分の既得権はしっかり主張する。
これは脳幹だけではなく大脳皮質も動員しているのだろう。
いつもならソファーにかけ登って老人が座るのを待つのに
登る直前になって躊躇して断念することの方が目立つ。
脳幹だけなら飛びついて痛みに気付いて中止するところだが
今飛ぶと痛いという記憶が彼を止めさせている。
そして、老人に憐れみを乞う目で見やるところは
一歩進んで、なんとなく狡猾さを感じ、演技を感じ
完全に旅役者の域に達している。

だが、完治していないことも確かなので
老人としては気がかりではある。
まだ皮膚炎の薬はあるのでサマーズへ行くのも躊躇われる。
と迷っていたら、“脊椎症”と書いた薬方があった。
以前下半身不全麻痺の時の薬が残っていたのだ。
ちょうど皮膚炎の薬は少しづつ減らそうと先生に言われていたので
皮膚炎用薬は隔日投与にし今日は脊椎の痛み止めを与えた。
先生への報告は皮膚炎の薬の効果がみえているので
その時に一緒に相談しようと考えた。

最近テスは老人がやさしいことをいい事に
ちょっと調子に乗っているように思っていた。
このままではロスが年末帰ってきたときに
なにか言われることは必定だから、なんとかせねばと
焦りを感じて対策を検討し始めた。
だが、テスの既得権は回復させるの
は並大抵のことではない。

老人は今頼まれている仕事のことも気になるし、
ほおっておいても年末が近づいてくるし、
心ばかりが気忙しく対策は実行に至っていないのだ。
ロスに対しては居直る手もあるが、
テスに対しては、これはもうどうしようもなく
躾けが至らないまま今日に至ったとしか言いようがない。

今更簡単に剥がせるような既得権ではないことは
周囲のものは誰でもわかっていた。
だが、老人が加害者みたいに言われるのはどうにも癪に障る。
そこで老人はそこでもう一度躾けを試みてみようと考えた。
泥棒が手当たり次第に荒らした後、
途中で気づいて慌てて指紋を消し始めたようなものである。
どこかに必ず消し残しがあるに決まっていた。

といっても、ボケが既に始まっている今となっては
その位思いつくのが精一杯だった。
老人はこの程度の犯罪心理学は心得ている筈だが
ボケがそれを夜霧のようなヴェールで包み込み始めていた。

最近物事をしていて自分が何をしようとしているのか忘れてしまうことが多い。
少し以前なら一二歩戻りかけたところで思い出したものだが、
この所は元の場所まで戻っても思いだせないことが増えてきて
嘆げかわしいこと甚だしいが、まさに“老人”の域に達していた。
人生での“深い秋”である。

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2012年12月01日

毎度お騒がせ

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昼食事に帰った時はまで上眼遣いで、すぐにごろんと横になっていたが、
夜帰ってきたら本来の動きとまでは言わなくても声が出ていた。
動きもまだ少し庇っているけど、
ほぼ平常に戻ったかと思えた。
治ったとなると元のやくざになって老人に付きまとう。
催促して老人の左手に乗って、
両手で二の腕に摑まっていたと思ったら
エレベーターの前でドアが開くと、
箱乗りスタイルで中を除く。

ホントはものすごく緊張していて、
体全体に震えているのは
老人の左腕しか知らない。

治ったらすぐにソファーへジャンプし、
老人の心配は全く意に介さず。
それでもまだ少々不安げな顔も見せる。
病気になるとテスの餌が増えるのは
本人は知っているかどうかはわからないが
体重を測ればきっと増えている筈だ。
治ったかあと安心感は働いたが、

やっぱり車の助手席で、リードのゆとりを短くしてあったのに
ある時気が付いたら後部座席に吹っ飛んでいて、
リードが張り切っていたのに、
あろうことか其れを老人が引っ張ったのが悪かったのかと
多少責任を感じていた老人だったから
軽く済んでよかったと胸を撫でていた。
次の朝はどんな馬力で暴れてくれるのか、
この自己中犬は。

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2012年11月27日

弱り目に祟り目

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テスの様子が昨日(11/25)からおかしい。
ビッコを引くわけではない。 
右足を挙げて痛そうな顔をするが
それは足の具合が悪いのではなく
体幹が悪いのだということは
なんとなく長年の勘でわかった。

右足を調べてもなんともない。
そこで歩く姿を見てもやっぱり足では無さそうだ。
しかし、ソファーに上がろうとして途中で断念する。
新聞を取りにいくときもなんかおかしい。
老人の手に抱いてもらうために
後ろ足2本で立たないといけないが、それが出来ない。

今朝(11/26)朝新聞取りに行くのに抱っこしようとしたら
痛いことにはめっぽう強く
悲鳴なんかほとんど聞いたことはないこのテスが
鋭い悲鳴を上げたので老人はビックリして下ろした。
そこで歩く姿を見ても足では無さそうだ。

どうも脊椎の異常みたいな気がする。
そういえば昨日から上目遣いで老人を見やり、
肝心の食欲も残しはしないがいつもの貪欲さは見られない。
頭を下げて具合が悪そうだ。

背中を丸くしてのそのそ無目的に歩く様は
背中の痛みを確認しているような様子に見える。
今日は月曜日、獣医へ行く時間がない。
考えを巡らしている時もすぐに横になり、
とにかく横になって寝ている時間が多い

今までにも似たようなことはあったので、
金曜日まで様子を見て治らなければ
サマーズ先生に診てもらうこととした。
土曜日に皮膚のことで診察を受けたところだった。
そういえばその後からおかしかったかもしれない。

車の中でリードを助手席に固定しておいたのだが
運転中にテスが視界から消えていたので
リードの先を追うと後部座席で
長くないリードに曳かれて辛そうだった。
その時背骨に負荷がかかったのかもしれない。

何となく無目的に部屋の中を歩く姿は
自分で痛みの場所を確認するような感じで
名を呼ぶと上目づかいで弱気な顔つき。

元気なときは鼻息が荒く、
体の調子が悪く攻められたら困るときは
下手に出て相手を懐柔する。
何か、哀れな中間管理職みたいで見た目良くない。
くたびれた老人の頭はすぐにオーバーヒートしたので
とにかく明日まで様子を見ようと思った。

ま、脳幹で生きている動物の処世術と思えば
それもまた可愛いと哀れに思えた。
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2012年11月23日

保護者の責任

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鼻の周りのアロペシア

サマーズ先生にテスを日光に曝すのは控えた方がいいと
言われたことを錦の御旗にして
その後日光皮膚炎ではなさそうな話になっても、
都合のいいとこ取りで、テスと老人の散歩はかなり減ってしまった。
最初はそれでもかなり抵抗したが、
雨の中出かけたりするのはさすがにこたえるみたいで
新聞取りに降りる以外はあまり要求しなくなってきた。

下からエレベーターを呼んで待つ間
老人はヒンズースクワットをするのが癖になっていた。
普通のポメの2倍の体重のテスを抱いてのスクワットは
かなり腕にこたえるが、
特別に遅いわけではないエレベーターが来るまでに
さほど時間がかかるわけではないので
運動不足の補いの言い訳にもならない程のものだった。

エレベーターは何度乗っても緊張するらしく
老人の左腕にいつも体の震えが伝わって来た。
そこで途中の階で乗り込む人がいると
それはテスの緊張が頂点に達するときだった。
しかも初対面でも“可愛い!”と言われても
声が反転して狂犬みたいな声を出さずにいられなくなるのに
そう時間は要らなかった。

途中でエレベーターを降りる人の
背中に吠えたてる声と反比例に老人の肩身は狭くなった。
そのうちに“あの犬は・・”という目で見られるのは必定だった。

肩身を狭くするだけではすまされないと
人一倍礼節を重んじ、人に迷惑を掛けることを嫌う老人は
途中同乗者が乗り込んできたときは
エレベーターを出て階段を降りるようになった。
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2012年11月10日

脱毛(アロペシアX)―summary for now―

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テスの皮膚炎は黒班病という
遺伝性の病気ではないかという疑惑が浮かんできた。
炎症のない皮膚炎だから痒みはないというが、
テスはそんな理屈に付き合う義理はないとボリボリ掻いている。

そんな話を知ったロスがアメリカンに聞いたのか
それは「black skin disease」というらしいと教えてくれた。
それでネットに検索をかけたら出てきたのが
Alopecia Xと呼ばれる症候群みたいな名前だった。
それは過食、肥満、多飲、多尿のほか 
左右対称性で痒みのない脱毛と皮膚の黒班などの症状。
そして副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群) 甲状腺機能低下症が疑われた。
だが、テスの皮膚炎はステロイド(副腎皮質ホルモン)を使って
劇的に良くなったのではなかったかという疑問は残る。

但し、結局は特定の原因が指摘できず、不明のまま
アロペシアに“わかりません”という印のXをつけただけとなった。
痒みのないのはアレルギーではなくホルモン分泌の問題だと考えられた。
これもテスの場合それなりに痒がってイラついたりしていたのだが。

それまでアロペシアXは犬の健康とは無関係の、
単にコスメティックな問題だから無視していいと考えられていた。

最初にストレス説、アレルギー説、ついでマラセチア菌原因説、
そして黒班病、そして内分泌異常説からついに遺伝子絡みの説まで。
成る程これならXとつけたくなる気持ちもわかるな、と
知った風に老人は思った。
残念ながら今飲んでいる薬はもう2週間経つが
まだはっきりした効果は出ていない。

処方の中身は知らないが
サマーズ先生が早くいい治療法を見つけてくれないかなと
老人はテスの体をブラッシングしながら語りかけた。
テスはそんな周囲の苦労も知ってか知らずか
気持ちよさそうに体を預けていた。
とりあえずこの話題はここで一段落としよう。

posted by てす at 03:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月03日

アロペシアx 続き

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サマーズ先生の推測通り、
そして老人がネットでかじってから
注意して観察してみると、
なるほど、テスはよくトイレに行っているし、
最近トイレの消耗品の使用が多いことにも気づいた。
食欲も朝晩の食事は多めにやっているのに
自分が終わっても老人が食べている下で追加を要求する。
その気になって観察すると、まさにぴたりと症状が合致する。

老人はすべてフローリング仕立ての
この住まいの床を雑巾で拭き始めた。
それはサマーズ先生からの薬を再び服用し始めて
2~3日しか経っていなかった。
拭いた後もすぐ白くなるのは覚悟で
運動のつもりで拭いたのだが、
それを見てテスが遠慮したみたいに
抜け毛が減っているのに気付いた。
「薬が効いているのだ」と老人は確信した。

だが、残念ながら今回ステロイドを
処方しているのかどうか確認してなかった。
以前は確かに処方したと先生は言っていた。
でも、副腎機能の亢進を疑っているのだったら
ステロイドは悪いのではないか。
でも、そんなことはサマーズ先生はわかっている筈だ。
処方を変えるとは言っていたが、中身の説明は聞いていない。

一か月分の薬を貰ったのだが、
それまで待つのはとてももどかしい。
老人は雑誌のクロスワードパズルを解いて
答えの出る来月号はまだかと待つ人の気分になった。

元来低いレベルながら文科系を自認する老人は
「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身も焦がれつつ」
と百人一首のなかの定家の歌を何故か思い出し、
答えのわからぬ苛立ちを慰めていた。

サマーズ先生を出し抜こうと思ったが
あちらはテスが受診時だけ、こちらは毎日の情報である。
ハンディはあるが、専門家と痩せ浪人の一騎打ちだ
等と、当事者のテスの苦しみを置いてけぼりにして
老人は後で見つけた日本語の情報も読んで
知識を蓄えていく。
休みが続く週末は深夜まで起きて
このようにハイになるのが
最近の老人の悪しき習慣だった。
傍で白河夜船のテスの鼾を聞きながら。
posted by てす at 22:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月25日

外国文献

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ロスが黒班病のことを英語では
Black Skin Disease
というのだと聞いた話を伝えてきたので、
老人は思いつきで英語病名をネットで検索してみた。

上記病名に括弧で Alopecia X(脱毛X)と続けた題名で
An Overview として書いてあることを見ると
病名というより病態から見たフレーズであると思われた。

犬に起こる、ホルモンの影響を受け、
炎症ではなく進行性に左右対称的な脱毛と
色素沈着を示すものを言うもので、
獣医特に皮膚科の獣医やブリーダーは好んでAlopecia X と言うらしい。

Alopeciaというのは人間では円形脱毛症だとは
昔一寸医学をかじった老人も知っていた。
その病気はストレスが主な原因だが、犬のアロペシアも
ストレス、ホルモンバランスの異常、アレルギー、
遺伝などが原因として考えられるらしい。

しかも、名付けてアロペシアX。
なんかスポーツタイプの車の名前みたいだが、
一方でミステリアスでつかみどころのない
むづかしい病気だということが覗われた。

しかも、一つの原因ではなく、複合的なもので
副腎の性ホルモン、甲状腺、成長ホルモンなどのインバランス。
さらにストレスやアレルギーが絡む。

だが予防法はありきたりで新鮮なものはなかった。
原因がはっきりしないから
予防法もはっきりしないのは当然であろう。

ただ、Black Skin Disease は
体の健康とはあまり関係なく、
Cosmetic issueになるだけだという。  
命にかかわる病気でないということらしい。
だが、毛の抜けた体を毎日見るのは
やはり哀れで辛いものだと、
更に有効な治療法を探して検索を続ける老人であった。
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2012年10月19日

黒班病?



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一旦改善したデスの脱毛がまた目立つようになった。
食欲はすぐに回復したし、体重は全く減少していない。
このパラドックスが老人にはいまだ理解ができていない。

一般的な換毛期の脱毛のあり様が判らないので
これが病的な脱毛かどうか、
あるいは両方絡んでいるのかが判然としない。
でも、このところの脱毛は量的に1年か2年前の
病的脱毛と非常によく似ていると老人は考えていた。

現在地へ変わってから皮膚炎がすっかり治まったので、
アレルギー性性皮膚炎が疑われ
転地が良かったのかと思っていたが、それもぬか喜びだった。
紫外線による膠原病説も一時的にしか受け入れられなかった。
マラセチアによる真菌説も外れているようだし、
残るところは遺伝性の黒班病位しか考えつかなくなった。

ただ、この黒班病はまだ治療法について勉強していないが
遺伝性なら根治は難しいのであろう。

老人は自分の病気のことも忘れて色々考えるが、
次には両方が重なって暗澹とした気持ちになるのだ。

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2012年10月17日

雨上がり

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夜来の雨で路面はまだ濡れていた。
老人は出る前に確かめなかったことを後悔したが、
緊張するエレベーターも我慢して乗ったテスは
もう戻ろうとはしない。
雨は上がっているから、
まあいいかとテスを路面に下ろした。

未だ朝の6時前、路地裏の道は誰も通る人はいなかった。
皆さんはしっかり状況をとらえているのだろう。
いつもは必ず数組の散歩犬を見るのだが、
今日は全く遭遇しない。
これはこれで気を遣わなくてもいいから悪くない。
テスはもちろん異存のあるわけがない。

臭いを嗅いで動こうとしないテスは、
顔を地面に擦り付けんばかりに路面に近づけて
お尻を上げて前足で地面を抑える様な姿勢でリードに逆らう。
それは、日馬富士の相撲の仕切りを彷彿とさせるような姿だ。

あっという間に抜け落ちたテスの毛は
換毛期と重なるのか、首から胸にかけての部分は
ピンクの肌が透けて見えるほどになっている。
体を洗ってやったせいか
脱毛の割には痒がらないのがせめてもの救いだが、
やはり家に帰って横になって寝ている姿を見ると
腹や首のあたりが新たな皮膚炎が見えて痛々しい。

老人は自分の病気の症状が外から見えないので
あまり他人には理解されない。
それなのにテスはこんなことでも
注目と同情を巧みに集め、“役者”だと、
老人は恥を隠さず、少しばかり嫉妬するのだ。
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2012年10月13日

皮膚炎再燃

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散歩を再開してからなのか
テスの皮膚炎がまた再発している。
急激に痒がっているなと思う間もなく
皮膚が数か所で赤く炎症が強くなった。

薬も毎日やっていなかったからかとか
外でなんか変なものを食べたのかとか、
色々推測するが老人にはさっぱりわからない。
急に薬を止めたから反動なのか、
雲の多い日しか出ていないが、紫外線がまだ強いのかとか、
思い当たる原因にすべからく反省して色々対応している。

サマーズ先生はマラセチア、紫外線による膠原病など
色々考えてくれたがとにかく、ステロイドで抑え込んでいた。
だが、老人は皮膚が黒くなっているので
ポメに多いと云われる黒班病も捨Sてがたいと思っている。

あとは、ネットで見た酸性アレルギーだ。
理論的構成にちょっと科学的でない部分もあるが
獣医では治らないという強気の発言を
(この手の話は眉唾のことも多いが)
老人は一度だけ信用してみるつもりだ。
痒そうにしているテスを見ておられないからだ。

だが最近何かで見かけたのはポメに多い遺伝性の黒班病、
あるいは、テスの場合酸性アレルギーで脂性で
臭くなることもあるという。
アルカリアレルギーは乾燥肌だというから
どっちっかと言えば酸性の脂性型であろうと、
似非獣医の老人は考えている。

ステロイドの薬をいつまでも続けるわけにいかないし、
いつまでも世話を焼かす奴だと思うが、
自分より先に死なないで欲しいと思う。
良きにつけ悪しきにつけテスと老人は相棒なのである。
posted by てす at 01:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月11日

これなら勝てる?

016.JPG

テスが早くも夜の散歩を理解して、
夕食の後激しく訴えてきた。
近所に迷惑がかかるので吠えるのを止めさせようとするが、
その効果を知り尽くしているテスはやめない。
恵比寿が借りている不動産屋の
契約更新の判を押した手紙の投函を兼ねて
いつもと違うコースをいった。

日は既に暮れて路上は細かいものは見えなくなっていた。
そのうち、テスが臭いを嗅いで動かなくなった時、
家の中から大型犬の吠える声が聞こえてきた。
テスは聞こえないふりをしていたが、
向うから女性が小型犬を散歩させているのに出会った。
テスは一転猛然と吠えて小型犬に向かいリードを緊張させた。

ポメラニアンは知性豊かな犬種だそうだが、
彼我の力関係を素早く判断して
対応できることも知性と云うのだろうか。
老人は半ばあきれて帰途についた。

posted by てす at 08:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月06日

大五郎はご機嫌斜め

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朝の散歩に久しぶりに出て、
顔見知りのお爺さんと
車に乗った大五郎の役回りのコーギーが
街角でこちらに気づき待っていてくれた。
そこに小型犬を連れた女性とも出会い、
しばらく犬談義というか、
他愛のない三者面談みたいになった。

女性はコーギーの背中から、軽く触れた。
大五郎は感情を見せず受け入れた。
老人がそれに続こうと近づいたとき
テスがコーギーの正面の網目から覗くように
中の臭いを嗅ごうと首を伸ばした。
だがその途端、コーギーは不愉快だとばかりに歯をむき出して唸り、
今まで見せたことのない感情を顔に出して見せた。
老人も慌てて手をひっこめた。
テスとは一蓮托生、テスを嫌うなら
老人も嫌われるだろうと思ったからだ。
聞くところによれば、コーギーの大五郎は
(大五郎は漫画「子連れ狼」からイメージして
老人が付けたあだ名で本当の名前は知らない)
14歳という高齢だそうで、とすると
老人が考えていた脊髄損傷ではなく
単なる老化現象なのかもしれない。

子犬は先に去って行ったので
大五郎に嫌われたテスも
そこに居残るのは何となく気まずく
「ありがとう、それじゃまた」と別れた。
テスは、コーギーを振り向くこともなく離れた。
posted by てす at 12:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月03日

出会いの場

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テスが病気で獣医に止められるまで
早朝にテスの散歩をしていた老人は
このおかげで生来不得意な
他人とのコミニュケーションを取る訓練が出来ている。

犬を連れている共通点の気安さから
コースの分かれ道で待っていてくれる人、
犬がいるというだけでコースを変えて来る人など
本来ならば絶対話せそうでない人たちが
犬を接点にしてお互い近づいてくる。

話すことは簡単である。
「可愛い、何歳?オス?メス?これポメだよね、
なに犬ですか、私もポメを買っていた、じゃまたね」
ほとんどの会話はこの括弧の中の言葉で済む。

犬の反応はまちまちだ。
匂いを嗅いで受け入れる犬、
最初からいやそうにあっちを向く犬、
ふられてから急に吠え出すテス。
ふられて逆恨みをするなんて、最低のテス。

最後の3行は最近実際に見た光景だ。

posted by てす at 21:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月02日

久しぶりの社交界

063.JPG

テスがあんまりしつこく訴えてくるので、
老人は久しぶりに散歩に出かけた。
日暮れも近い頃に出たので
こんな時間に犬を散歩する人はいないだろうと思っていたが、
意外に数組の散歩に出会った。
まず定番の「何才ですか?」と聞かれ、
「8歳、もうオジさんです」「その子は?」
「5歳、メスです」
「かわいい!」
と褒めるのがペットの最初の出会いでのルールらしい。
言われた方は、「ありがとうございます。だけではなく、
「何才ですか」と先の会話になるわけだ。

テスの頭越しに会話は続くわけだが、
テスは妙齢のグレーのトイプードルに興味はなさそうで
「ポメラニアンですよね、うちも前に買っていたことがあるんですけど」
「ええ、大きくて」
と、言い訳させられて「では、ありがとう、また」
とわけのわからない挨拶をして別れる。
その間、「あっしには関係のないことで」、とテスの様子はそっけない。
でも、何となく挨拶するのが普通のマナーらしいので、
老人もそんなマナーに逆らう気力もなく従っているだけなのだ。

暫くすると、また似たようなサイズのグレーのトイプードルが
今度はさっきの女性と似たような年齢らしい男性が
「あれ、さっきの犬と兄弟ですか?」
と聞いたが、聞こえなかったのか、話す気がないのかその男性は
会話の相手をしてくれなかった。
見たところ、さっきの夫人と夫婦で、兄弟か親子のトイを
飼っているのかと思ったので声をかけたのだが。

色んな人がいるわけで、声掛けも無論義務ではないし、、
すがすがしい朝ならもう少し気軽に声かけをするかもしれないが、
日暮れは視野も狭くなっているから解放的にはなれず
気軽に声掛けすることはは控えてしまうのだろう。
などと勝手に推測していると、
今度は犬種のわからない、小さい犬と出会った。

犬種が判らないなどと威張って言っても、
老人が見分けのつく犬種なんて殆んどないのだ。
先のトイプードルだって
“トイ”をつけていいのかどうかわかっていないのだから。

少し臭いを嗅ぎ合っただけで
頭越しの会話もなく離れた。
やはり夕方は、特に女性は警戒してしまうらしい。
テスも久しぶりの外出で社交術を忘れたらしい。
生来社交べたの老人でさえこんなに頑張っているのに、
テスは仕方のない奴だと、ぶつぶつ言いながら帰路についた。
posted by てす at 05:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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