2013年05月31日

脳幹だけじゃない

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テスはまだ完治していないみたいだが、
自分の既得権はしっかり主張する。
これは脳幹だけではなく大脳皮質も動員しているのだろう。
ソファーにかけ登るのに躊躇して断念することの方が多い。
脳幹だけなら飛びついて痛みに気付いて中止するところだが
今飛ぶと痛いという記憶が彼を止めさせている。
そして、老人に憐れみを乞う目で見やるところは
演技まで入っていて完全に役者である。

だが、完治していないことも確かなので
老人としては気がかりではある。
まだ皮膚炎の薬はあるのでサマーズへ行くのも躊躇われる。
と迷っていたら、“脊椎症”と書いた薬方があった。
以前の薬が残っていたのだ。
ちょうど皮膚炎の薬は少しづつ減らそうと言われていたので
皮膚炎用薬は隔日投与にし今日は脊椎の痛み止めを与えた。

最近テスは老人がやさしいことを良い事に
ちょっと調子に乗っているように思っていた。
このままではロスが年末帰ってきたときに
なにか言われることは必定だから、なんとかせねばと
焦りを感じて対策を検討し始めた。
だが、テスの既得権は回復させるのは並大抵のことではない。

老人は今頼まれている仕事のことも気になるし、
放っておいても年末が近づいてくるし、
心ばかりが気忙しく対策は実行に至っていないのだ。
ロスに対しては居直る手もあるが、
テスに対しては、これはもうどうしようもなく
躾けが至らないまま今日に至ったとしか言いようがない。
今更簡単に剥がせるような既得権ではないことは
周囲のものは誰でもわかっていた。
だが、老人が科が医者みたいに言われるのはどうにも辛い。
老人はそこでもう一度躾けを試みてみようと考えた。
泥棒が手当たり次第に荒らした後、
途中で気づいて慌てて指紋を消し始めたようなものである。
どこかに必ず消し残しがあるに決まっていた。
といっても、ボケが出始めている老人にはその位しか思いつかなかった。
老人はこの程度の犯罪心理学は心得ている筈だが
一歩振り返ると今何をしようとしていたか、何を求めてこの道をゆくのか
わからなくなる、そんなボケがそれをヴェールで包み込み始めていた。

posted by てす at 14:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月29日

田舎育ちの白犬

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早起きした老人はテスにせがまれてついに5時前に散歩することになった。
前半にテスの仕事を終わって、後半はジョギングで帰りたいと思っていた。
それでも、何となく顔見知りの犬連れの2^3人と会った後、
また初めての犬種と遭遇した。
まだこの界隈の犬事情に精通したわけではないと思い知らされた。

比較的若い男性に束ねられて2頭の子犬?成犬かも知れないが。
そのスタイルの良さと云ったらグレイのこの犬たちは、
キリンにも負けない細くて長い脚が
グレイの短毛の体を軽そうに支えていた。
品があってスマート。

どこかのちょっと顔が可愛いだけの白い犬などは
及びもつかない垢抜けたスタイルと雰囲気。
例によって犬種もわからず、聞くこともせず
でも、ただ感動した。

遠心力で便を直腸に押しやってから排便する白い犬などを無視しても
こんな可愛い仔は許されると、テスの背中を見ながら帰途に就いた。

posted by てす at 08:12| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月26日

爺さんが婆さんに?

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いつものように早朝の散歩をしていた時のこと、
時々会うおばあさんは白と黒のぶちの子犬を連れていた。
例によって犬種は老人にはわからないが、
その犬は吠えながら近寄ろうとしていた。
テスも近づきたい意思を見せたので犬に寄ろうとしたら
おばあさんはリードを絞って後ずさりした
「噛むからだめや」という。
「何で、可愛い顔をしているのに」と
お世辞を言いながら更に近づこうとしたら、
“そんなことゆうてくれるのは旦那さんだけや”、
“顔は優しても心は強(こわ)い”
等としゃれたことを言いながら去って行った。

老人は自分があのばあさんに言い寄っているように思われるかと、
思わず周りを見渡した。
posted by てす at 17:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月24日

羨ましい?

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昔を今になすよしもがなと言われると
静御前より
薄くなった頭に慌てて手をやるおじさんが瞼に浮かぶが、
これは決して老人が思っていることではないので念のため。

因みにテスは最近エレベーターの中で
妙齢のご婦人に頭を撫でられて
”毛が長くてふわふわして気持ちいい”と
多分、褒められていい気になっていたが
恐怖感を和らげるために老人が抱っこした手で
テスの胸をさすって落ち着かしてやっていたことを
決して忘れてはいけない。
posted by てす at 01:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月22日

前頭葉

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一晩明けても、首の痛みはほとんどなく、
額も触らなければ意識しない程だったので
被害は最小で、運が良かったと言えた。
落ちる時は情景が一瞬見えただけで
反応する時間的余裕はなかったのだろう。

一番先に確認したのは眼鏡の被害だった。
足を下ろしておけばもっと被害は少なかったろう。
今までも何回か落ちたが
ほとんどすべて終着地に着くまでに覚醒している。

一瞬、やっちゃったと思う瞬間がある。
でもその時は既に制御不能、critical pointを越えているのだ。
ただ、最後の瞬間は時間が遅くなったかと思うほど
ゆっくり情景の変化が記憶に残っている。

視神経を通って脳に情報が届いた直後で
運動神経への命令がまだ発令できてない時なのだろう。
老人はやっと前頭葉の動きが活発になり
如何に運が良かったのかを知る。

頭が落ちて机と激突して
外から前頭葉を直接刺激しなければ、
事態を飲み込めなくて被害はもっと拡大するのだろう。

折角座り机があっても、コードや何か弱電の配線が多すぎて
移動するのも頭を一ひねりしないとうまく配置できないだろう。
かくして老人は危険を顧みず、元の机で仕事をするのだ。
南海の漁師たちが危険を冒して
接続水域や他国の領海で漁をする気持ちが少し分かるような
等と訳のわからな話を持ち出して納得する。

やっぱり脳が揺すられて傷んでいると老人は思った。
posted by てす at 23:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

転落の人生

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老人はデスクに向かってパソコンを弄っていた、筈だった。
それが、左半身になって頭から落ちていく時に意識が戻った。
意識が戻ったといより目が覚めたと言うべきであろう。
脇にあった指に湿気をつけるスポンジセットが
バラバラになって音を立てて落ちた。
今朝入れたばかりだった水も散乱した。
気が付いた時には机が目の前に迫っていた。
胡坐をかいた下半身はそのまま動けなかった。
眼鏡をかけていたが、自分では避けたと思った。
だが、偶然運が良かっただけだった。
額が机をかすめるのかなと一瞬思う間もなく
額が机の端にあたった。
眼鏡がほんの少し歪む感じがあったが、無事だった。
もう少し左に落ちれば頭から床へ転落するところだった。
運がよく一番被害の少ない額で上半身を支えた形だ。
無論、かなり高い音を立てて打った頭は痛んだし首も違和感があった。
しかし、額を机の角で痛めることもなく、額で受け身をした感じだ。
明日になれば被害の程度はもっとわかるだろう。
夜の11時過ぎ、老人が居眠りしたのは20〜30分程だろうか。
このために床に胡坐をかいて向かうよう
低い机を恵比須に選んでもらって使っていた。
だがそこは慣れない新しいパソコンがあって
まだ主な作業は古いパソコンを事務机の上で使っていた。
足を下ろして使っていれば居眠りしても
重みが違うから額を打っても首までいたくはならないだろう。
だが、老人は足が冷えると
くしゃみが出て止まらないという体の事情があった。
数日前まで足温器をおいていたが
さすがに5月を半ばも過ぎて使用するのは
どうかと思い片づけたところだった。
危ないのは承知で足が冷えると気が付いたら胡坐座を取っていた。
posted by てす at 08:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月19日

静御前

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ベランダの鉢植えは新芽をめでる時期から
いくつかが花を競う時期になった。
淡い黄色の苧環(おだまき)が一輪、
傍に2輪の蕾を従えて立つ様は

しずや静しずの苧環繰り返し昔を今になすよしもがな

白拍子の静御前が頼朝のと妻政子の前で舞いながらも
凛として義経を慕うことを隠さなかった。
義経の跡を追って雪の吉野の山を彷徨う、
こんな挿絵の入った本を見ながら
その故事(?)を読んだ覚えがあった。

只その話には少し遅れて咲く
白花深山苧環が似合うかもしれないと、
野草好きの老人は思った。


posted by てす at 19:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ノロよりましか

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暫らくパソコンの調子が悪く、その分テスの散歩の回数がぐんと上がって、
テスは多分、気分は絶好調のはずだ。
その分と言っても無関係なことだが、
老人の体調はあまり良くない。それと・・・
ボケ具合が心配だ。
自分で自分のボケを心配してりゃ世話はないが、
でもそれで体調をもっと悪化させていてはどうにもならない“裏の柿の木”だ。
今日も今日とてテスの散歩が済んだ後、食後しばらくして歯を磨いていた。
いつもよりちょっと甘いような感じが、後から思えばだが、していた。
老人はこの後、鉢植えの水やりを頭に描いていたと思う。
内外上下ほとんど磨き終わったころ、
多分水やりの段取りが頭の中で着いた頃だろう。
歯磨きのペーストが違うことに気が付いた。
そう、以前も何度かやっているが、洗顔フォームで磨いていたのだ。
ただ、今までは口に入れてすぐに気付いて吐き出したのだが、
今回はしっかり磨き終わる寸前だったのだ。

なぜそこまで気付かなかったのか、
一寸こってり知っているとは薄々感じていた、のだろうと思う。
慌てて口をゆすいだが、もう後の祭りだ。
口中に粘っこい、こびりついた感覚が取れない。
でも何とか取り終えたが、粘膜全体に油を塗りこんだような感じが取れない。
ペーストの能書きを見たら、眼に入ったらすぐに洗い流せと書いてあるので、
PHがアルカリなのだろうか、など考えていた、とそこまでは穏やかな朝だった。

だが、しばらくして無性に下腹が痛くなって締め付けるように絞ってきた。
昨日もらい物のイワシを塩焼きして食べたがあれが悪かったのか、あるいは一緒にもらったつみれ汁が悪かったのか、
あるいは今朝の半干しのイカの開きの過熱が足りなかったかとか
食べたものを一通りチェックしていたが、どうもピンとこない。

もう1度能書きを見てみると、
そうか、成分の中にはグリセリンなんかも書いてある。
ひまし油みたいなものである。
これでは下剤を飲んだも同じだ。

老人はそれから小一時間痛みと戦った。
そして、口の中の違和感は2〜
ま、ノロよりいいかと自分を納得させながら。
posted by てす at 19:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月11日

”うつ”なら何を言ってもいいのか? この一言が言えない

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普通、バースディにおめでとうと言われたら、
ありがとうとまずお礼を言ってからのがエチケットでしょう。

ぞれをのっけからわが身の不幸話でぶち壊すなんてのは
相手に対して失礼だし手前勝手が過ぎます。

軽く挨拶代わりに祝いを
言っただけで
ぐだぐだとわが身の不幸を口説かれて
気分が悪くならない人は居ませんよね。

ありがとう。

これだけ言えばよかったんです。

申し訳ないけど、言い訳さしてもらえれば
「うつ」なんですよ。
何も自分の気分の変調を人に漏らして
不幸に同情を得ようとしたつもりはなかったのです。
うつの所為だと甘えたかったのかも知れません。
でも、こんなに言い訳できる「うつ」はいませんよ。

ハッピーバースデイといっただけでこれだけ返されては
このいい陽気なのに一変に不愉快になりますよ、私なら。
言葉をいくら重ねても、言い訳がましさが
浮き彫りになって来るのでこの辺にしましょう。

すみません。

この一言がいえない為に
恥の上塗りをして更に迷惑をかけました。
先が短い年に為ってもこんなんじゃダメだよなあテス、
って声をかけても、テスにゃ分かりっこないか。
普通、バースディにおめでとうと言われたら、
ありがとうとまず言うのがエチケットでしょう。

ぞれをのっけからわが身の不幸話でぶち壊すなんてのは
相手に対して失礼だし手前勝手が過ぎます。

軽く挨拶代わりに言っただけで
ぐだぐだとわが身の不幸を口説かれて
気分が悪くならない人は居ませんよね。

ありがとう。

これだけ言えばよかったんです。

申し訳ないけど、言い訳さしてもらえれば
「うつ」なんですよ。
何も自分の気分の変調を人に漏らして
不幸に同情を得ようとしたつもりはなかったのです。
うつの所為だと甘えたかったのかも知れません。

ハッピーバースデイといっただけでこれだけ返されては
このいい陽気なのに一変に不愉快になりますよ、私なら。
言っても言っても言い訳がましさが
浮き彫りになって来るのでこの辺にしましょう。

すみません。

この一言がいえない為に
恥の上塗りをして更に迷惑をかけました。

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2013年03月25日

PM2.5  これって、午後2時半?


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今年の冬はようやく終わりを告げたようだ。
だが、今年の春はなぜか気分が晴れない。
黄砂だけでなく、PM2.5などという
微粒子が大陸から飛んできているという。

2.5μmウィルスより大きいが花粉より小さい。
新型インフルエンザ騒ぎの時に買ったマスクの残りを
有効かどうか能書きを確認する老人の足元で
「マスクなんかいらないから早く外へ連れてけ、バーロー!」
と新聞取りの外出だけでは不満のテスが
朝早くから騒いでデモっている。

昔、東京へ行くと鼻毛の伸びが早いとか言われたが、
その頃はサイズまで聞いたことはなかった。
中国もそのころの日本のレベルに達したらしいが、
相変わらず尊大な国だとため息が出てくる。
中華思想があの尊大さと自己愛を育んでいるのだろう。

尊大と云えばテスも最近尊大な態度をとる。
無視したら許さんぞとばかり
悪さをして老人の手を煩わせる。
老人の心が鉢植えに向いているのが気にくわないらしい。

だが、春の芽吹き時の草木は
いかに評判のテスの器量をもってしても
老人の心を戻すことは出来ない。
posted by てす at 22:57| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月22日

ベランダ

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ベランダに春が訪れてきた。
30鉢ほどしかないがこのベランダの環境では
これが精一杯の育てられる限界だ。
3か所もあるベランダも空調の室外機のことと
非常時避難経路としての設計であり
遊び心などとは無関係の切り詰めた設計だ。

引っ越してきたときに大きいものは諦めて
小さめの鉢だけに限定して持ってきたものだ。

そんな場所に2か所に分けておいた草たちは
けなげに今年も咲いてくれた。

春の芽吹きまではいいが
葉が茂ってくると風通しが悪くなり
30鉢は無理気味なのだ。
余り詰めると環境が悪くなる。

しかも春がまだ浅い時に
植え替えてやらねば元気がなくなり、
十分な花を咲かせてくれない。
ベランダを汚さないように植え替えを済ますには
室内であるしかないかと、手順を頭で反芻していた。

最初に咲いた花は去年と同じ福寿草。
冬場に土肌しか見えない鉢植えに
芽吹きからの数日は、毎年新鮮な感動をくれる。

深緑の柔らかな葉の先端に
緑がかった萼の上に乗った
黄色の花弁は柔らかく艶がある。
他に今咲いている花は、
日向水木、連翹、肥後菫
破れ傘は傘をたたんで伸びてきている

これらを植え替えてやらないと、
来年はこのような感動はもらえない。
posted by てす at 01:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月07日

悲鳴

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夜のゴミ捨ては朝の新聞取りと共に老人が果たさなければならない、
そしてそれに同乗するテスにとっては絶対に譲れない既得権益だ。
それどころか最近あまり散歩に連れ出してもらえないので
フラストレーションがたまっており
行動の端々に不満が見てとれる。

一方、老人にとって新聞取りとゴミ捨てでは疲労度は段違いだ。
ゴミの袋を2つ、場合によっては3つ出す。
テスを利き腕の左手に抱いて、袋を持って、
右の手で鍵を開けたり、ボタンを押したり。
このような状況で下りはカードをかざす必要のないのがせめてもの救いだ。

7kgの動く荷物を片手で持つには尻尾を褌のように巻いて
手のひらで骨盤全体を支えその指先に2つ、
右手に仕事がある時は3つのごみ袋を持たねばならない。
カードをかざしてもなかなか緑の光が付かない時は
左手は筋肉がギシギシいっている。

ところがこんな時にもかかわらず
テスは両手で老人の2の腕をつかむことを忘れて手の上に乗ろうとする。
7kgの重心がどんどん手先に移り、
ジムで運動を始めて間もないひ弱な筋肉は悲鳴を挙げる。
その状況で同乗者が乗り込んで来た時のテスの興奮を思うだけで
まさしくお手上げの冷や汗が首筋に走った。


夜のゴミ捨ては朝の新聞取りと共に老人が果たさなければならない、
そしてそれに同乗するテスにとっては絶対に譲れない既得権益だ。
それどころか最近あまり散歩に連れ出してもらえないので
フラストレーションがたまっており
行動の端々に不満が見てとれる。

一方、老人にとって新聞取りとゴミ捨てでは疲労度は段違いだ。
ゴミの袋を2つ、場合によっては3つ出す。
テスを利き腕の左手に抱いて、袋を持って、
右の手で鍵を開けたり、ボタンを押したり。
このような状況で下りはカードをかざす必要のないのがせめてもの救いだ。

7kgの動く荷物を片手で持つには尻尾を褌のように巻いて
手のひらで骨盤全体を支えその指先に2つ、
右手に仕事がある時は3つのごみ袋を持たねばならない。
カードをかざしてもなかなか緑の光が付かない時は
左手は筋肉がギシギシいっている。

ところがこんな時にもかかわらず
テスは両手で老人の2の腕をつかむことを忘れて手の上に乗ろうとする。
7kgの重心がどんどん手先に移り、
ジムで運動を始めて間もないひ弱な筋肉は悲鳴を挙げる。
その状況で同乗者が乗り込んで来た時のテスの興奮を思うだけで
まさしくお手上げの冷や汗が首筋に走った。
posted by てす at 00:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月24日

飼い犬の品格

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すわ4回目の物忘れと思いきや今度はちょっと違う展開があった。
降りる時に同階の隣人と一緒になった。
このようなことは初めてだったが
隣の人は何する人ぞ という興味はほとんどなかった。
最近の世の中は隣人とのトラブルも多いと聞くが
上階からの騒音被害以外に不満は感じていなかった。
ちなみに上階の住人は駐車場ではお隣さんであることが最近分かった。

隣人に「吠えるかもしれませんから」と
先に行ってくれるようにお願いしたが、
別に構いませんよと、
一向に気にする様子がなく同乗するのは自然の流れだった。

テスの声は聞きなれているからという風な鷹揚さなので
恐縮しながらテスと老人は同席させてもらうことにした。
「何という名前ですか?」出口に近い隣人は振り返って聞いてきた。
もちろん「テスです」と答えたが、老人は一寸慌てた。
犬種を聞かれたかと思ったからだ。
名前を最初に聞く人は珍しいが、
だから次は当然犬種を聞かれると思った。
ポメですと7kgのテスを抱えながら言うのも
恥かしいなと思いながら次の言葉を待っていた。

しかしあくまで優しい隣人は後ろにいるテスを振り返りながら
可愛い、と呟くように言って場を和ませてくれ、顔を前に戻した。
その話し振りがやさしく耳に響いたのかもしれない。
なんか聞き間違えかなと思ったが、
可愛いですねと定番の会話になり、
この方の興味は場を和ませて、
テスをリラックスさせる効果があるかもしれないと老人は期待した。。

だがテスの緊張は高まり始め、
やっぱりだめかと思う絞り出すような声が出始めた。
「ああっ!」と思う間もなく、
けたたましい金属音とともにエレベターは停止した。
警報音が鳴り続け、テスも度胆を抜かれたか静かになった。
隣人は意外と冷静に色々復帰するように
試してくれていたが復旧しなかった。

そうこうしているうちにドアは開いたが警報音はなお鳴り続けていた。
隣人はちょっと驚いて、なぜなの?と
首をかしげながらも落ち着いて降車した。
老人はこのエレベーターに閉じ込められた経験はあったので冷静だった。
その時は付属の電話をかけたら早朝の所為か時間はかかったが
指示通りそこらじゅうボタンを押したら復旧した。

今回エレベーターの警報音は老人の所為だと感じていたので
大声にも反応する防犯機能付きなのだと言い訳は考えていた。、
しかも本当の原因は老人が1階に着く前に
2階か3階で降りることが出来たらと
ボタンを押していたので警報の意味はすぐに納得していた。

posted by てす at 03:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月16日

3回目

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またやってしまった
今日は休みで老人は片付けものをしていたがテスが騒ぐので郵便物を取りに行った。
下りはICカードは不要だから気づくのが遅れる。
降りてすぐに気が付いたがすでに遅し、ドアは無情に閉じられた。
まだ朝6時前位だったろうか、
そんな時間に誰が来ようかと諦めながらも
待つしかない局面だ。

もう少し以前ならばコーギーの散歩をこの時間にしている人がいた。
強い風にICカードが飛ばされて無くし、
結局はエレベーターの中に吸い込まれて居たのを見つけてくれた人だ。
でもコーギーを肩に担いで散歩に連れ出していたその人は
最近見ないから多分引っ越してしまったのだろう。

老人は3回目になると慣れたものでパニックにもならず落ち着いていた。
防寒具はしっかり着ていた。
テスの震えが腕に伝わってくるのが気になるが
慌てたってどうせ誰かが来なきゃレスキューされないのだと
割り切っていたからだろう。
エレベーターの存在階を示す番号に点くライトが
動くのを見ながらそんなことを思い出していた。

どのくらいたったのだろうか、
携帯ももってこなかった老人に
天の助けが来ることを示す明かりは
だんだんあがって行き9階で止まった。
しめた、誰かが下りてくる。

ドアが開いて姿が見えて老人は少し緊張した。
いつも出会った時にあまり声を出さない人だ。
でも、そんなことで躊躇する余裕はないのだ。
「すみません、カードを忘れちゃって、
お宅のカードでお願い出来ませんか。」
その人はこれだけで納得したらしく無言のまま
登りに必要なエレベーター内のパネルにICカードをあててくれた。
最初にあてた時パネルの認証サインが出ず、彼は一瞬にこっとした。
その微笑みはというより目的通りにいかなかったことへの苦笑いだった。
だが、傍で見ていた老人にとって、
いつ遭遇しても無言で無表情な、もっと言えば
声が出ないで口元が捩れているような表情しか知らないものにとっては
あのはにかんだ微笑みは彼に対する見方を変えた瞬間だと言っていい。
老人は深々と「ありがとうございます」と礼をした。
一方彼は振り向きもせずその場から姿を隠した。

posted by てす at 15:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月12日

進歩のない男たち

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テスの不始末をよく話題にするが、
最近のテスは老人と2人の時は
失敗もしないし、悪さもしない。
リビングを開放してもなんら問題は起こさない。

ただ、誰かが来ると興奮するのか失敗してしまう。
失敗というより自分の存在を強調すると言うべきだろう。
以前にも中野が来たときに、やられた。

今回も中野が来ているのだが、
中野は横で可愛い顔で眠るテスを一晩見ると
もう大丈夫、自分に迷惑を掛けることはまずないと自信を見せる。
老人はテスを知り抜いているから、
と言うこと自体既に危険をはらんでいるのだが、
老人が危ないと繰り返しているのに
来沢3日目にやられてしまった。
進歩のない訪問者だが
仕方がない、始末は老人の仕事である。

パソコンのことに関しては中野におんぶにだっこだが、
こと生活の知恵に関しては、ベテランの域に入る老人だ。
風呂でさっと被害部を水洗いして
いかにもというシミを薄めて目立たないようにする。
そしてそれを干して洗濯屋に出すという手順だ。
厨房では遅い、段取りが悪い等々評判の悪い老人だが
一体、人間というものはバランスが取れているものである。

テスはちっとも悪くない、という顔で距離を置いて
一連の作業を他人事のように傍観している。
これはこれで進歩のない男である。

posted by てす at 00:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月10日

救いの女神

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それは、ほんのちょっと油断したからだった。
エレベーターの中で気づいた。
セキュリティカードは玄関に残したままだった。
テスは箱から降りても震えていた。
この状況を老人のシマッタ顔で状況を理解したのか、
あるいはただ寒かっただけなのかは
不確かではあるが、確かに震えていた。
寒さ地獄から抜け出るカードを忘れたのだ。

老人も初めての時よりずっと余裕はあったが、
さてどうしたものかと思案投げ首という態だった。
というより、このビルの住人の誰かが通りかかってくれない限り
救われないのはわかっていたから。

ただ、朝と違って中途半端な午後3〜4時前後だったから
誰が救いの神になるのか、全く読めなかった。
テスをなだめながら待つこと10分前後か、
その神は姿を現した。
ダウン風コートを着て眼鏡をかけた女神だった。
エレベーター向かう彼女に
痴漢などと間違えられないように
十分気を付けて老人は声をかけた。
「すみません、カードを忘れたので一緒に入っていいですか?」
「はい」と女神は目を合わせないようにして答えた。
老人は彼女の気持ちはよくわかったので
中へ入る時に「すみません」と感謝の気持ちを込めて礼を云った。
彼女は何て返事をくれたのかは忘れたが、
落ち着いて返事を返してくれた。
彼女は変な爺さんと狭い空間にいる恐怖を感じさせない態度だった。
老人はテスと自分が救われたことよりも
その女神の凛とした態度に感激していた。
毛の序が何階かで先に降りて行く時に
老人はもう一度声をかけた。
「ありがとうございました。ありがとう。」
女神は落ち着いて言葉を返した。
「どういたしまして」
凛として、素晴らしいレディの振る舞いだった。
老人は自分とテスが助かったことも忘れ、
清々しい気分に浸った。
同席していたが、テスには理解の出来ない世界であった。
posted by てす at 00:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月06日

不始末

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テスの不始末が良く話題になるが、
最近のテスは老人と2人の時は
失敗もしないし、悪さもしないし、
リビングを開放してもなんら問題は起こさない。
ただ、誰かが来ると興奮するのか失敗してしまう。
以前にも中野が来ているときに、油断して彼の部屋を開放していたら
夜具の真ん中にやられてしまった。
青年の主張ならぬ中年の主張だ。
”毎度毎度俺を置いてけぼりにしやがって“
posted by てす at 00:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月05日

仰臥位

テス&ジロー 057.jpg
幼少の頃のテス

テスの睡眠時の体位はお腹を上にして寝る無防備体勢だが、
前テスはそんな体勢は見たことが無いような気がする。
小さいけれど用心深いお兄ちゃんは飼い主にも100%信頼を置いてなかったのかと思うと不憫な気もするが、厳しい躾を目指す老人が壁に小便を撒き散らす前テスに厳しい折檻をしたからかも知れない。
そう思って振り返ると
前テスが不憫に思えた。
若い頃は自分の子供たちにも厳しかった老人だが、
現在の子供たちを見て、
「あまり効果は無かったな」
と昔のことを思い出していた。
そのなかで覚えているのは
恵比須が何をしたかは忘れたが、
叱られる羽目になって、
真冬の夜のベランダに締め出されたことがあった。
その当時最高の罰だったと思うが、
ロスであれば出されて鍵をかけられる直前に謝るのが常だった。
中野はどうしたか忘れたが、多分似たものだったと思う。
極寒の夜のベランダは恐怖ばかりでなく、
寒さも厳しいので早く誤った方が
被害は少ないと思うのが普通であったろう。
ところが恵比須は絶対謝らない。
時間がたっても、謝らない。
自分が出したにもかかわらず
老人は心配になり始める。
恩に着せて、「早く謝ってはいりなさいと言っても
入らない。
折檻した親がむにゃむにゃとわけのわからないことを言って
中へ引っ張り入れる。
結局、自分が詫びを入れて許して貰ったのではない。
「自分が悪いのではない」を貫き通すのだ。
兄弟3人いてそれぞれの身の処し方があるのだ。

posted by てす at 00:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月03日

雪国

084.JPG

1月半ばから1ヶ月、本格的な北陸の冬の到来だ。
テスにはあまり関係無さそうだが、
散歩に連れて行く老人には少量の積雪はありがたい。
先日雪の積もった日に中野と一緒に散歩したが、
体の汚れが目立たず帰宅後の始末が簡単でいい。
これに対し、雪解けの道は汚れた泥と解けた雪が混ざって、
散歩に行く案をすぐに却下する理由が出来るからこれもいい。
畢竟、出不精な老人には降ろうが降るまいが
行かないから同じようなものだ。
毎日でも行きたいテスには、これも雪には関係の無いことだ。
こんな禅問答を頭で反芻しているうちに散歩のチャンスは失われる。
これもまた老人の思惑の内とは・・。
posted by てす at 23:11| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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