2012年11月03日

アロペシアx 続き

IMG_1600.JPG

サマーズ先生の推測通り、
そして老人がネットでかじってから
注意して観察してみると、
なるほど、テスはよくトイレに行っているし、
最近トイレの消耗品の使用が多いことにも気づいた。
食欲も朝晩の食事は多めにやっているのに
自分が終わっても老人が食べている下で追加を要求する。
その気になって観察すると、まさにぴたりと症状が合致する。

老人はすべてフローリング仕立ての
この住まいの床を雑巾で拭き始めた。
それはサマーズ先生からの薬を再び服用し始めて
2~3日しか経っていなかった。
拭いた後もすぐ白くなるのは覚悟で
運動のつもりで拭いたのだが、
それを見てテスが遠慮したみたいに
抜け毛が減っているのに気付いた。
「薬が効いているのだ」と老人は確信した。

だが、残念ながら今回ステロイドを
処方しているのかどうか確認してなかった。
以前は確かに処方したと先生は言っていた。
でも、副腎機能の亢進を疑っているのだったら
ステロイドは悪いのではないか。
でも、そんなことはサマーズ先生はわかっている筈だ。
処方を変えるとは言っていたが、中身の説明は聞いていない。

一か月分の薬を貰ったのだが、
それまで待つのはとてももどかしい。
老人は雑誌のクロスワードパズルを解いて
答えの出る来月号はまだかと待つ人の気分になった。

元来低いレベルながら文科系を自認する老人は
「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身も焦がれつつ」
と百人一首のなかの定家の歌を何故か思い出し、
答えのわからぬ苛立ちを慰めていた。

サマーズ先生を出し抜こうと思ったが
あちらはテスが受診時だけ、こちらは毎日の情報である。
ハンディはあるが、専門家と痩せ浪人の一騎打ちだ
等と、当事者のテスの苦しみを置いてけぼりにして
老人は後で見つけた日本語の情報も読んで
知識を蓄えていく。
休みが続く週末は深夜まで起きて
このようにハイになるのが
最近の老人の悪しき習慣だった。
傍で白河夜船のテスの鼾を聞きながら。
posted by てす at 22:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。