2012年10月17日

雨上がり

061.JPG

夜来の雨で路面はまだ濡れていた。
老人は出る前に確かめなかったことを後悔したが、
緊張するエレベーターも我慢して乗ったテスは
もう戻ろうとはしない。
雨は上がっているから、
まあいいかとテスを路面に下ろした。

未だ朝の6時前、路地裏の道は誰も通る人はいなかった。
皆さんはしっかり状況をとらえているのだろう。
いつもは必ず数組の散歩犬を見るのだが、
今日は全く遭遇しない。
これはこれで気を遣わなくてもいいから悪くない。
テスはもちろん異存のあるわけがない。

臭いを嗅いで動こうとしないテスは、
顔を地面に擦り付けんばかりに路面に近づけて
お尻を上げて前足で地面を抑える様な姿勢でリードに逆らう。
それは、日馬富士の相撲の仕切りを彷彿とさせるような姿だ。

あっという間に抜け落ちたテスの毛は
換毛期と重なるのか、首から胸にかけての部分は
ピンクの肌が透けて見えるほどになっている。
体を洗ってやったせいか
脱毛の割には痒がらないのがせめてもの救いだが、
やはり家に帰って横になって寝ている姿を見ると
腹や首のあたりが新たな皮膚炎が見えて痛々しい。

老人は自分の病気の症状が外から見えないので
あまり他人には理解されない。
それなのにテスはこんなことでも
注目と同情を巧みに集め、“役者”だと、
老人は恥を隠さず、少しばかり嫉妬するのだ。
posted by てす at 00:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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