2012年06月19日

エレベーターの中

031.JPG

朝6時、老人はテスを抱っこして新聞を取りに行くのにエレベーターに乗った。
2〜3回下がったところでエレベーターが留まった。
ドア越しに小さい犬を抱いた女性が乗ってきた。
「だいじょうぶかね?」とその方は案じながら乗車してきた。
老人は結末が予想できたのでもっと心配していたが、
案の定テスが苛立ち、ついにはヒステリックに吠え始めた。

2^3階下がってまたエレベーターが留まり
よく会うコーギーらしき中型犬がここのルール通り
飼い主に抱かれて開くエレベーターを見ていた。

子犬は静かだったが
テスがもう発狂したかと思うくらい
激しく吠えだした。
老人は居場所がなくなったような気分だった。
そこでもうその女性は諦めて
エレベーターを降りたと思う間もなく
庫内の警報が鳴り始めた。
耳をつんざくような音だった。

コーギーの主は不愉快そうにしている。
老人は鳴りやまぬ警報にエレベーターを出て
階段から女性の後を距離を保って降り始めた。
警報はしばらく鳴り響き、老人がついたころは
コーギーもエレベーターを降りて外へ出ていた。

もう老人はこの駄犬をどうかしたくなっていた。
駄犬は主人と反対にもう落ち着きを取り戻し、
何かありましたかという風な顔で抱っこされていた。
posted by てす at 21:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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