2012年08月17日

セキュリティカード ー前の章ー

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いつものように朝刊取りにテスを左手に抱いて
エレヴェーターに乗った。
スイッチを押して一階へ向かった。
朝の6時前、この時間帯に会う人は、
限られている・てすは同乗者がいると
興奮して裏声で吠えるので、
一階に来るまで人と会わなくて安堵したと思うまもなく
老人はあわてだした。

セキュリティのまさにキィーとなる認証カードを忘れていた。
一階のドアが開いたとき、老人の頭はめまぐるしく回転した。
このままエレヴェーターの中にいるべきか否か。
しかし突然のことでしかも目覚めたての柔軟でない脳は
与えられた時間も短く判断ができない。
とっさに階段から行けばいいと考えエレヴェーターを降りた。
そして階段側のドアを開けようとした。
だが、これが開かない。

階段へは認証カードなしでは出られないことに気が付いた。
だったら誰かが通りかかるまでそこで待つしかない。
こんなことなら2階で降りて階段へ出ればよかったかも等と
いろいろ反省したが、後の祭りだ。

一階のフロアに出たからには、とりあえず誰かが来ないと
エレヴェーターにしろ、階段を上がるにしろ、老人は戻れない。
家の鍵は同じカードを使用するが、
当然今日はカードを携帯しなかったので、
そこまでいけば家に入ることができる。
そこまで到達すれば、カードなしで入ることができる。
だが結局は誰かのカードが必要だ。

敷地内にペットをじかに下ろしてはいけない。
そういうルールなので仕方がない。
テスを抱いて壁に持たれていたが、
だんだん重力に負けて床に座り込む寸前になる。
色々考えを巡らしたが、結局カードがないと駄目だ。

老人がそれほど泡を食わないのは、
以前カードが風に飛ばされた時
同じ経験をしているからかもしれない。

posted by てす at 23:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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