2012年07月19日

しとしとぴっちゃん

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ようやく仕事前の早朝にテスの散歩をするのが日課になって、
今日も今日とて5時起きで出かけた。
この時間は一番人通りならぬ犬通りが多い時間帯らしく
見たことのある犬たちが見たことのある人たちに連れられていた。
その中で子連れ狼みたいに
乳母車を改装して歩行できないコーギーを連れている老人と再会した。
今日の老人は柔和な顔をしてコーナーで立ち止まり、
テスが追い付くのを待っていてくれたようだった。

ところが今日は御簾の奥のコーギーの機嫌が悪かった。
低い声を発して警戒していた。
ところが、大五郎を乗せた拝一刀(オガミイットウ=子連れ狼より)は
テスに手を差し伸べ、テスも素直に臭いをかぎ、手をなめて親愛の情を見せていた。

老人の顔は前回に見せた気むづかしいのではなく、
とても柔和な、犬好きのおじさんの顔だった。
それで、コーギーが主人をとられるのを警戒して発した唸り声だった。

座ったまま抗議をするコーギーが可哀想で
老人は一刀さんに会釈しながらその場を離れた。

前回の老人は動けないことをカミングアウトして
テス親子の反応が気になり表情が硬かったのだと思った。
老人とテスが受け入れてくれたことを見極めて
あの素敵な優しい眼でテスと交流してくれたのだ。

昔テスも軽く下半身麻痺となり、しばらく歩けなかったことがあったが
現在は跡形もなく回復していた。
老人は病状は判らないがコーギーの回復を心の中で祈りながら帰途についた。

posted by てす at 08:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月15日

ちびった?ちがった

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もうすっかりテスの権利になった早朝の散歩に出かけた。
時間帯が少し違うとまた初めての出会いがいくつもあった。

そのうちの一つ、柴犬の雑種か白い中型犬が
(老人は犬の種類に疎く、犬の種類を訊かれて
すぐにこういう風に言ってみたいとは常々願っているが、
要するにほぼいい加減である)
銜え煙草の男性に連れられてテスと遭遇した。

テスはすぐに彼(か彼女か)の大きさに
慎重に腰を落とし、足を広げて構えていたが、
相手は大きく尻尾を振りながら友好のポーズをとっていた。
テスは相変わらず慎重に足を踏ん張っていたが、
次の瞬間お尻をぐいと上げた。
すわ、戦闘態勢と思ったら、
なんと、排便の姿勢になった。
銜えたばこはまだ起こっていることを理解していないようだった。
だが、無論老人は長い習慣ですぐにわかった。

無理やり嗅がされる煙草の臭いもあまり愉快でなかったが、
テスのおバカな行為に、一緒に歩くのが嫌になってしまった。
銜え煙草も呆れてさっさと白いのを連れて行ってしまった。

その時テスはまだ最後のひとかけらを排出中だった。
排泄体勢を解いた白い犬の「もの」を片づけながら。
老人は一人なにかえも言われぬ敗北感を味わっていた。
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2012年07月14日

野生への回帰

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ロスと車で東山界隈をドライブした。
観光客を避けて登りの坂を過ぎるうち
知らない道へ踏み込んだ。

それは老人にとってまさしく知らない道だった。
学生の頃、東山のもう少し郊外側の
この山の中腹に約2年間下宿していたのだが
その道と似ていた。

もしかしたら東山の左手の方からの
大きい登り道と合流するのではないかと期待していた。
その道は小さい道をいくつか吸収するように合流して頂上へ登っていた。
まさに老人の記憶は正しかった。

この道のもっと左側に老人が住んだ家がある。
懐かしさを心に納めながら
もう少し上の散歩道へ行くことにした。

車を置いて散策を始めてまもなく、
道路は山肌を削って造られたらしく
両側が1〜2m高くなっていた。

何となくその壁面に目をやると、
野ネズミらしき物体がその壁を上がろうとしていた。
ところがその瞬間、黒い物体が野鼠に飛びかかった。

それが猫だと確認できた頃には
野鼠は切り立つ崖の中腹付近で
飛びかかった猫に捕獲されていた。
猫は獲物を銜えたまま崖の上に立ち、
ゆっくりと視界から消えていった。

ロスはもちろん老人もノラ猫(飼い猫かも知れないが)が
狩りをする場面を生で見たのは初めてだったので、
二人とも少し感動して暫くそこに佇んでいた。
再び老人たちが歩き出しても
夫々の感動の大きさを争うように表現し合った。
ちょっと大げさなようだが、
それがまた二人の感動の大きさを現わしていた。
posted by てす at 00:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月10日

おもひで

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ロスが帰って来て、例によって急に運動づいてきた。
卯辰山で歩くことにして、その前に
東山の郭の界隈を車で観光しているうちに
道は細くなり、登り勾配がだんだん強くなって
引き返すに返せない狭い道に入り込んだ。

だが、確かに上の広い道に繋がっている筈と
不安が消せないまま登って行った。

老人はこの近くに下宿していた学生時代を思い出していた。
そこは卯辰山の中腹で
夕方には遠く日本海に沈む夕日が見える絶景の下宿だった。

というのは宣伝する側の見方で、
つまりは西向きの、夏の日はぎらぎら太陽に炙られ、
夕方までは何も手がつかないくらいの部屋だった。
当時はエアコンなどというものは一般には広まっておらず、
3種の神器として洗濯機、テレビ、冷蔵庫が
嫁入り道具として、もてはやされた時代であった。

ただ、夕方になると窓から眺める景色は
本質は文科系の老人に
詩心を起こさせるには十分のものだった。

優しい奥さんとご主人と二人の娘たちに癒されなければ
山の中腹まで毎日登り下りする辛さに
今の老人には絶対に我慢できそうにない場所だった。

一回りほど年上の奥さんをみんなはおばさんと呼んでいた。
おばさんはここから電車に乗って
近江町まで毎日買出しに行っていた。


夕食時にご飯を注いでくれるおばさんの話は
近江町の夕方5時ごろには
投げ売りで値段が半値になるというような
他愛のない話が多かった。

だが4人の下宿人たちが合いの手を入れて
膨らんだ会話を皆で聞きながらの食事は
のどかで楽しい一時として
老人の記憶に残っていて今この坂で蘇る様だった。

posted by てす at 08:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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